そばの力

そばの栄養
 炭水化物が主成分のめん類の中で、最も栄養価の高いのがそばです。そば粉は豆類を除く穀類の中できわめてたんぱく価が高く、日本人に不足しがちなビタミンB1、アルギニン(子供の成長に欠かせない)、ルチン(血液降下作用があるので高血圧や動脈硬化の予防によいとされています)、コリン(肝臓障害に効き目)を含んでいます。その上、コレステロールを下げる働きもあり、心筋梗塞や脳梗塞に効果がある食物繊維は白米の約2・5倍も含まれています。肌を美しくするシスチンを含んでいるのも、女性にはうれしいことですね。そばは米や小麦粉と比べても、実に優れた食品といえます。

そば湯を楽しもう
 しかしこれらの栄養素は、そばを茹でるときに茹で汁の方にかなり溶け出してしまうことが知られています。せっかく栄養があるそばを食べるのですから、栄養分がいっぱい含まれたこの茹で汁を無駄にすることなく利用したいものですね。 昔から、茹で汁を「そば湯」と言って湯桶の中に入れ、残ったそばつゆを薄めて飲む習慣がありますが、これは栄養の面からもまさしく理にかなったことといえるでしょう。ご家庭でそばを楽しむ方も、是非そば湯を楽しんでみてくださいね。なお、このそば湯、そば屋さんでは「そば抜け」とも呼ぶそうです。「そばの栄養が染み出したもの」、という意味でしょうか。